イチロヲ

ミュータント・タートルズのイチロヲのレビュー・感想・評価

ミュータント・タートルズ(1990年製作の映画)
3.5
放射性物質の影響によりミュータント化した亀たちが、ジャパニーズ・スタイルの格闘スキルを駆使しながら、ニューヨークを混乱に陥れている闇組織に肉薄していく。1984年に出版開始したアメコミを映像化している、アクション映画。

「セサミストリート」のマペット作家、ジム・ヘンソンの手腕が遺憾なく発揮されており、ミュータントの特殊造形が芸術の領域に達している。日本の特撮映画とも相通じる、「スーツ・アクティングの妙」を享受することが可能。

テレビ東京のアニメ版に親しみがあるため、亀と仲良くなる女性記者に違和感を覚えるが、調べてみると本作のほうがコミック準拠になっていることが判明。一方、ソフト版の日本語吹替は、声優のアドリブ過多であり、良い意味でアニメ版の雰囲気を味わえる。

敵対相手のラスボス感がゼロであり、格闘のカタルシスも弱いけれども、「ミュータントなりに、やれることをやって行こうぜ!」という、「Let it go!(=開き直り)」の精神に大きな感動を禁じ得ない。
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