みかんぼうや

駅馬車のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

駅馬車(1939年製作の映画)
3.8
告白します。この古典名作、最初の60分は名作と言われるほどの面白さが分かりませんでした。が、後半のインディアン襲撃から一気にテンション爆上がり!撮影中に何人か死人が出てもおかしくないような強烈なアクションシーンからラストの決闘まで、その興奮に大興奮。後半30分で一気に観方が変わりました。

前半の馬車道中は、登場人物たちの個性を描くこととアパッチ族(インディアン)の怖さを描く意味で重要なのは分かるけど、ストーリーの動きも少なく映像も地味。

しかし、それは全てラスト30分のためのお膳立て。駅馬車一行を強襲するアパッチ族一行との圧倒的なスピード感溢れるアクションシーンがあまりにも凄すぎる!「CG等が誕生する遥か昔、いや撮影機材も今よりも遥かに劣る1930年代に、こんな激しい大迫力のアクションシーンをどうやって撮ったの!?」と目を疑うほどの過激なシーンに釘付け。

CGが無い、つまり全てスタントを駆使した“生のアクション”なわけで、文字通りその“命懸け”の撮影にただただ感嘆。怪我人どころか死人が出ることを覚悟しているかのような凄まじい画力。このシーンの緊張感と興奮のおかげで、ラストのリンゴとダラスの関係にもグッと身が入り、最後にはエンタメ作品として本作をしっかり堪能。

これまで観てきたジョン・フォード監督作は、大胆な映像よりも、深い人間ドラマに魅了されてきたが、本作は、また彼の作品の新たな魅力を知る作品だった。
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