矢吹

駅馬車の矢吹のレビュー・感想・評価

駅馬車(1939年製作の映画)
4.0
我々は社会的偏見の犠牲者だ
しかしだ、誇り高きゴミであれ
これは最低に好きなセリフだ。

「ジェロニモ」
顔と電報の一言。
多分、あの場面の顔ってジェロの顔ではないですよね、初見はこれがジェロかと思ってたけど。まあその正誤は重要ではなく、あれを代表する編集のテンポが厳ついんだけどさ。
馬車に続々と乗る人々と
その人物紹介と音楽のユニゾンが心地よすぎる、
開始15分ぐらいでもう心を掴まれる。
りんごズームもよいし、
おりるわけにはいかないな。前進決定だ。ってな具合にフィルムが回るわけですよ。
細かい人間関係と誰もがなにかしらで馬車を降りられない展開も良ければ、
終始、一人一人の動きもいちいち最高なんだよな。
明確なキャラクターとその掛け合いだけでも楽しめるってのに、
荒野を行くカットが非常に力強く、勇敢な音楽に支えられて、壮大なイメージを広げつつ、
河を渡る臨場感からの、パンでアパッチの絶望。
そこからの疾走感たらないよ。ずっとたらないけど。
銃声、音楽、編集による映画の勝利。
普通に馬車馬から落ちるシーンとか飛び乗るシーンとかすご過ぎでしょう。
ラッパの音の救われっぷり。
展開もなかなかだし。
ジョンフォードって人すごいですね。
んで、街での10分の闘い。
西部劇の静と動がここにあります。
なによりもラストが半端じゃない。
石を投げるって記号について、緊迫の意味を連続させといてからのこれだよ。
いえい、ふー、はっはっはっは。

あんまり普段はしないけど、これは2回観た。
矢吹

矢吹