序盤は「三隅研次っつーより加藤泰みたいな撮り方してんな」と思った。
この若尾文子の美しさは『清作の妻』に匹敵する!
もうほぼ全シーンの若尾文子が驚異的に美しい…。
「屋敷の火事も空襲も避けて残った金屏風」の美しさとは、すなわち一向に年を取らず美しい若尾文子のこと。
ぶつ切りのつなぎ合わせみたいな構成だからか、余計にワンシーンごとの力強さが目立つ。
私のお気に入りは二人の子供を孕んだ中村玉緒が謝り倒しているのを冷ややかに見下ろすシーンです。
この辺はカミソリ握るシーンまでずっととんでもない緊迫感が保たれているのも最高。
若尾文子に負けず劣らず天知茂も良いすね〜。
天知が銀箔を作るのを見て若尾文子が「生きているみたい」と評するんだけど、この箔の動きがほんとに素晴らしい。
まさしく息吹を感じる動きで、どうやって演出してるのか謎。