ダルデンヌ作品2作目の鑑賞。
親に捨てられた少年シリルを演じたトマス・ドレ君の演技がとてもリアルで、観ていて痛々しいほどだった。
そして偶然出会っただけにもかかわらず、母親よりも大きな愛でシリルを包み込むサマンサ。
親でもないのにどうしてそこまでするのか、そんな疑問がふと沸いてきたが、映画を見終わった頃には、その疑問自体が間違っていることに気づかされた。
いまの時代、他人の子を叱れる大人がどれほどいるだろうか。
それを有り難いと思える親がどれほどいるだろうか。
他人の家のことには首を突っ込まない、そんな大人たちの態度が親たちを孤立させる。
自分の家のことに首を突っ込んで欲しくない、そんな親たちの態度が子どもたちを孤立させる。
親として、一人の大人として、観終わってからも色々と考えさせられた。
ぜひ多くの大人に観て欲しい。