施設に預けられた少年シリルと、彼の週末里親になったサマンサ。
父親が迎えに来ない事実を受け入れられない焦りからの反抗。
唯一信頼している父親からの拒絶。
こういう子に必要なのって、恐らく、自分を信頼して待っていてくれる人、いつでも帰れる場所を用意してくれる(=サマンサのような)人なんだろうけど、
どうしても人間って、自分を必要としてくれる人に傾きがち。ウェスみたいに悪意のある場合でも。
(やはりフランス映画が少々苦手なので)静かな描写、その割に冗長な会話、突然切り替わる映像などしっくり来なかった。
けど、全然音楽が挿入されないのに、印象的なジングル(ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番らしい)が数ヶ所だけ流れる場面は、
途轍もなく感情を揺さぶられるというか、思わず感嘆のため息が漏れてしまった。
そう来るか。
恋人に、シリルと自分どっちを選ぶんだって言われてシリルと答えたサマンサ。
あれはシリルを選んだわけじゃないんだよ多分。
あそこでシリルって答えなければ、シリルが完全に壊れてしまうなって理解していたから…。
なんで里親を承諾したのか聞かれて、あなたが頼んだからと答えたのも同様?
サマンサの包容力・受容力はどこから来るのだろう。
10/8/2022