久々のダルデンヌ兄弟作品を鑑賞。
父親から育児放棄された孤独な少年が、週末だけの里親となった女性と出会い成長して行く姿を描いたヒューマンドラマ。
あ~コレコレ、鑑賞後にぽつんと置いてかれる感じが蘇った。
説明的なセリフを排除し、隠喩表現と心情描写だけで徐々に状況が掴めていく感覚が気持ち良い。とは言え、終始心が落ち着かない。胃がキリキリ痛む。
ただただ愛情を求め、行き場のない不安の中で苦しむ少年の姿に胸が痛む。ぐらつく不安定なカメラの映像は、コレまたダルデンヌ兄弟っぽい。そしてそれが見事に心情と重なるし、真っ赤な洋服が強烈に印象に残る。
心の隙間に忍び寄る悪の誘惑って言うのはありふれても居るけれど、ラストの展開…
終了!って製作陣が引き揚げる背中を見送りながら自分だけ作品の中に取り残されたかのよう。