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その男、凶暴につきのmendeのレビュー・感想・評価

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)
4.3
初監督作にしてこの完成度はさすが。ほかにないクールな感覚がある。
暴力表現だけでなく、説明の省略ぶりがすばらしい。
今から30年以上前の作品だし、コメディアンが映画を監督する前例もあまりなかったことを考えると画期的な成功作ではないかと思う。

ビートたけしが締まった顔つきなのはもちろん、若い遠藤憲一が韓流スターっぽくてイ・ビョンホンに似ていた。白竜のぬめっとした非人間的な感じや、岸部一徳の死んだ目など、俳優の特性もよくいかされている。

主人公の妹(川上麻衣子)が正常な感情をなくしていてレイプされても泣き叫んだりしなかったのは、本当に悲惨なことだけど、まだ観客としてラクに見られた。それでも彼女は心身ともにダメージを負っているに違いないし、麻薬中毒にさせられてしまったけど。ヌードがなかったこともいい。そんなことを売りにしてない。

白竜の役は「殺すことを楽しんでいる」異常な男だけど、それがゲイという性癖と重ねられているような感じが少ししてしまう。それとこれとは別のはずなんだけど。
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