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その男、凶暴につきのsaorinoのレビュー・感想・評価

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)
4.6
殴る、蹴る、突き飛ばす、クルマで轢く。あらゆる警察沙汰をすべて暴力で解決しようとする警察官。無表情で拳を振り落とし、ためらうことなく引き金を引く。抜け目なく相手を追い詰め、一度敵に回したら、殺すまで離さない男。

まるで狂気的な犯人と表裏一体だ。唯一人間らしくなる妹との時間は、たった一つの歯止めだったのに、ある地点を超えてから彼自身が凶器になってしまった。

なぜ警官に?という後輩からの質問に男は冗談半分で、友人の紹介で、と渇いた笑いを浮かべながら言う。この男はただ、暴力が好きなだけかもしれない、と伺えるシーンだ。惚れ惚れするほどカッコいい。これが初監督作品だなんて!
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