世界三大喜劇王の一人、
チャールズ・チャップリン。
彼の代表作とも言える。
小さな放浪者は有名だろう。
窮屈すぎる上着、
ダブダブのズボン、
大きすぎる革靴、
山高帽とステッキ、
チョビ髭とがに股の歩き方。
前半は雪深い山へ。
金鉱を求める彼は、
猛吹雪に遭遇して、
山小屋に避難する。
そこには悪党がいて、
更に金鉱探しの男と、
三人で避難生活する。
ここで有名なシーンが登場。
腹が減った主人公チャーリーと、
同じく金鉱探しのジムは飢える。
そこで革靴を食べるのです。
煮た革靴を二人で分ける。
確かに革だから食べられる。
それでもおいしくはない。
日本の喜劇王とも呼ばれる志村けん。
彼のコントを見た事があるならば、
その発想は本作からだと分かります。
古今東西コメディアンの出発点は、
チャーリー・チャップリンなんです。
山小屋でのシーンは、
志村けんがよくコントで使う。
そのコントの原点だ。
後半ではチャーリーのロマンス。
山を下りたチャーリーは酒場へ。
ジョージアという酒場の女性に、
彼はそこでひと目惚れをします。
男らしいワケじゃなく、
金があるワケじゃなく、
ただ一途なチャーリー。
ジョージアは見向きもしなかったが、
チャーリーの一途な片思いを知って、
次第に彼へ想いを寄せていくのです。
チャーリーはコミカルさを忘れない。
その動き一つ一つが洗練されていて、
意外にも体を張っているのが分かる。
だからこそ面白い画ができるのです。
ただ、個人的にはロマンスの部分は、
少しばかり間延びしていると感じた。
笑いの部分を重要視しているから、
ロマンスが難しい事をしていない。
だから最後の終わり方はご都合主義。
それはそれで本作の魅力であろうか。
本作を観れば、
現代のコント、
今や大御所たちが、
こぞってマネして、
笑いを取って、
楽しませます。
その原点こそが、
チャールズ・チャップリンで、
最高の喜劇王だ。
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