Moeka

チャップリンの黄金狂時代のMoekaのレビュー・感想・評価

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)
4.5
壮大な聳え立つ雪山、何百人ものエキストラたちが登っているところから物語は始まる。いつも通りリトル・トランプの軽装で現れるチャップリン。飢えや孤独、金に翻弄される人々の姿を笑いと共に描く。チャップリンは人々の感情をモンタージュで表す天才だと思う。この物語は気づかぬところで危機が近づいていること、また知らぬ間に助けられていることもあること、偶然の繋がりによって生まれるものもあることを教えてくれる。そしてもちろん絶望的な状況でも遠くからみれば喜劇であるということも。全てのショットに無駄がない。パーティのシーンでぽつんと立つ彼の孤独さ、自然の恐ろしさ、女の子に誘われた時のあの喜び...チャップリン作品で飢え、食事がたくさん取り扱われるのは彼の不遇な幼年時代があるからだろうか。約1世紀経っても笑いを運び人生がふと明るくなる芸術を届けてくれるチャップリンは偉大で永遠だ。子供が生まれたらあのパンのダンスやってあげるんだ。
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