先日、実家の本棚の整理をしていた際に懐かしい本を見つけた。
「メメントモリ」藤原新也著書
その本の中には、ガンジス川のほとりで犬が人の死骸を食べている一枚の写真がある。
彼岸と不自然に白い肉塊を貪る犬の姿が、あの世を彷彿させるも、不思議に美しくもある。
そして写真の端には、〈 ニンゲンは犬に食われるほど自由だ 〉と。
同じころ、旅行でインドのバラナシという町に訪れていたことがある。
川辺のガートと呼ばれる火葬場で、青空の下淡々と死体が焼かれていく様子を毎日飽きるまで眺めていたのを思い出す。
その体験が関係あるからかどうか?はわからないが、勝手ながら自分にはこの〝納棺師〟という職業の資質があるのでは?という気がしている。
もしも何かが違っていたら、僕もこの映画の〝山崎努〟のような男を憧れ目指したかもしれない。
どこか退屈で、何がしか手一杯で流されつつある日常に、ときには必須であり身近なはずの「死」について考えてみることも。
メメントモリ = 死を想え