くわまん

ロレンツォのオイル/命の詩のくわまんのレビュー・感想・評価

2.5
医療ってやっぱり人対人なので、医療従事者と患者の信頼関係は、最もないがしろにされちゃいけない部分ですよね。ここに亀裂を入れかねないメディアはねぇ、良くないですねぇ。

みどころ:
親の愛は無償で無限
中盤までは引き込まれる
実話ゆえ起伏がまちまち
実話ゆえ一部脇役が薄い
日常の信頼関係に悪影響
邦題(副題)が蛇足

あらすじ:
副腎白質ジストロフィー。5~10歳の男児にのみ発症する、先天性の難病である。健常なら分解される脂肪酸が脳内に溜まり、様々な機能障害による苦痛に襲われ、2年で死亡する。治療法無し。
オドーネ夫妻の一粒種ロレンツォも、5歳の春に罹患してしまう。治験を試すが全て無効、病状は進む一方、いまや寝たきりで意思疎通もかなわなかった。
だが夫妻は諦めなかった。「何としても息子を救いたい」一心で猛勉強を開始、自力で治療法を確立しようと奮闘する。しかしそれは、想像を絶する過酷な道のりだった……!

Wikipediaを見れば一目瞭然なんですが、結局このオイルが効かずに亡くなる患児が続出して、当事者の絶望感を倍増させたんですよね。医学研究や日常臨床にケチまでつけて見切り発車した結果がソレというのは、メディアとしては最悪の所業でしょう。冷静でない医療は、冷酷な医療と同じくらい修正されるべきものですねぇ。

もちろん、人間には科学の予想を超える力があります。“生命力”とでも呼ぶ他ないものの介入を、目の当たりにすることがあります。だからこの映画は、“親の愛”をミラクルパワーとして扱うだけでよかったと思うんです。

「困っている人を助けたい」以外のメッセージを込めたり、何かをおとしめて何かを持ち上げようとしたりすると、こういう惨事を招くのだと、いいお灸になったことでしょう。安易に不足感を煽っちゃいけないんですね。