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ロレンツォのオイル/命の詩の天のネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

これを観た当時は子供はいなかったので、両親の必死さに「子供のためにここまでやれるか?専門家でもないのにたった半年程度でオレイン酸がどうとか思い付くか?」と疑問に思っていた。
が、子供が出来た今なら私だって出来る!
…とは、やはり思えない。
当時と違いインターネットで検索も電話も会議も出来るが、世界中の科学者や医師と討論どころか意思疎通すら出来ないと思う。日本語の医学書を読んでも理解出来る気がしない。子供を愛する気持ちでは負けないが、そもそもロレンツォの父親は世界銀行のエコノミストという超エリートで、自分のような凡人とは頭の出来が違う。そんな父親の選んだ妻である母親もやはり頭が良い。遅くに出来た一人息子ということで、両親の愛情も海より深かっただろう。
しかし両親のその頭の良さや愛情の深さが、超スピードでの薬の開発に繋がったり、周囲との軋轢を生んだりと良くも悪くも作用する。
ベースが実話だけに、鑑賞後複雑な思いになる。

今でも、スーパーに並んだオリーブオイルの瓶を見るとこの映画を思い出す私でした。
「ロレンツォのオイル」で検索すると、李 啓充さんという医師で作家の方の「アメリカ医療の光と影」という連載文が読めるので、映画をご覧になった方はご一読をおすすめします。
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