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フェリスはある朝突然にのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)
4.5
地元にある観光地に実は行ったことないというのは地元人あるあるですが、この映画でフェリス君たちが学校をずる休みして出かけるのはシカゴのザ・観光地であり、まるでガイドブックのような映画。彼らが訪れる高層ビルの展望台は、現在高さでは世界TOP10にも入りませんが、未だシカゴの高層ビルで高さ、人気ともにNo.1を維持しています(高さ2位はトランプタワーw...)。美術館も球場もこれを観ると行きたくなります。

さて内容についてですが、今の時代だったら批評家はもちろん一般観客からもなんとくだらないことかと酷評されるはず。フェリス君のいたずらっぷりは、さながらわんぱく小学生が活躍するニコロデオンかなんかのTVドラマそのもの。それでも楽しく観れてしまうのは、圧倒的に精神を病んだお友達のキャメロンのおかげだと思う。まず彼のリアクションが面白いし、結局「人生最高の日」と彼に言わしめたことでフェリス君のおバカっぷりが見事に正当化されています。

そのいたずらですが、くだらないとは言えめちゃくちゃ労力かかってます(笑)。原題は「フェリス・ビューラーの休日」ですが、このいたずら準備はむしろ仕事日です... しかもそんだけ頑張って遊ぶところが土日にいつでも行ける観光地ってどういうこと!?街の賑わいがどうみても平日じゃない。

この映画を酷評するのは簡単なことですが、映画・ドラマ好きを自称するならこの映画を観ることはもはや義務。なぜなら後のありとあらゆる映画やドラマでネタとして使われているからです。比較的最近の映画だと、ハングオーバー!(2009, セリフを引用)、デッドプール(2016, エンドロール)、スパイダーマン:ホームカミング(2017, 庭を激走、TV画面)、ブックスマート(2019, セリフで言及)、直近だとスイング・ステート(2020, 点呼)などなど。やっぱりすごい映画ですよね。

フェリスを演じたマシュー・ブロデリックは撮影当時23歳、高校生役はちょっと無理があるかな。ベッドに寝込んで甘える姿はオジサン臭がして普通に気持ち悪く(笑)、逆にスーツを着ていると高校生でもいける感じ、街で遊ぶ普段着は実年齢なりに見えます。若くor年寄りに見せたい方はファッションのご参考に。
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