すずき

ルイスと未来泥棒のすずきのレビュー・感想・評価

ルイスと未来泥棒(2007年製作の映画)
3.9
赤児の頃に母親に孤児院に捨てられたルイス。
彼は天才的発明少年となったが、彼を引き取る大人は未だ現れなかった。
彼は母親の顔を思い出し会いに行く事を決意し、幼少期の思い出せない記憶を映像にするマシーンを発明する。
しかし発表会の日、山高帽の謎の男が暗躍し、彼の発表は大失敗してしまう。
失意のうちに帰宅する彼の前に現れたのは、未来から来た男の子ウィルバー。
未来世界で山高帽の男がタイムマシンを奪い、現在のルイスの発明を奪おうとしている、と彼は言う。
ウィルバーを信じられなかったルイスだったが、彼と共にタイムマシンに乗り込むとそこは数十年後の未来だった…!

ディズニー長編アニメーション第47作。
ジョン・ラセターCCO爆誕してから最初の作品。
前作「チキン・リトル」を見たラセターは、その出来映えに落胆(多分)、公開を控えていた本作を大幅に作り直させたという。
1年に1本ペースだったこの頃の作品群の中で、間が空いちゃってるのはその為。
その甲斐あってか、CGのクォリティは上昇、かなり見られる出来。
全体的にも、一部人を選ぶシーンはあるけど、悪くない作品だと思う。

その問題のシーン。
中盤、「不思議の国のアリス」を5倍速で見たかのような、奇妙奇天烈で摩訶不思議なキャラクター達がカオスなシュールギャグを延々繰り広げる、ヤバいシーン。
しかし笑えるかどうかは別として、まるで「ボボボーボ・ボーボボ」のような意味不明なノリはディズニー作品ではオンリーワンの魅力。
個人的には嫌いじゃないぞ。笑えるかどうかは別として。

キャラクターも悪くなくって、主人公の哀しい境遇には同情出来る。
そしてヴィランの山高帽の男にも悲惨な過去があって、それも同情出来る。
たった1つの出来事が、人生を変える事ってあるよね…。
でもそこから前に進もうとしたルイスと、そこで立ち止まったヴィランとの対比がイイ感じ。
ウィルバーのお調子者な所も好き。

あとラスボスとの対決で、タイムトラベルを逆手に取った、たった「一言」での瞬殺も良かったなー。
一言での決着はロボコップの「お前はクビだ!」を思い出したし、タイムマシンが存在する事を利用した現実改編は「ビルとテッド」シリーズも思い出した。