彼奴(きゃつ)を逃すなの作品情報・感想・評価

彼奴(きゃつ)を逃すな1956年製作の映画)

製作国:

上映時間:94分

3.9

「彼奴(きゃつ)を逃すな」に投稿された感想・評価

汽車の通過音は銃声をかき消すほど大きい、というような映画のうそを存分に楽しめる佳品。
本作における、大きな音が続くあいだに味わうことのできるスリルといったら!
芥川也寸志によるピアノのクラシックとジャズのあいのこのような劇伴も良い。
ただ、序盤の事件の起点の演出がわかりづらかった。古いフィルムだからしょうがないのかもしれないけれど。
この映画、すごくスリルがあって、面白かった!!

物語は、ある殺人が起きるが、その犯人を目撃した男(木村功)は、妻(津島恵子)と相談して、事件に関わりを持つことをおそれて、警察に協力しないようにしたのだが、協力してしまう。警察側は志村喬が主任捜査官であり、なんだか『七人の侍』の出演者だらけ(笑)

しかし、目撃者宅を刑事たちが見張って犯人をおびき寄せようとするのだが、このやり方、アブナイアブナイ。まぁ、この危なさがスリルをあおることになるのだが…

クラリネットのピエロ、「ニゲロの文字」などが印象的。
とても面白い映画だった。

<映倫No.1974>
警察に殺人の容疑者を目撃しただろうと責められた木村功が、ついに警察に告白して、これで楽になるだろうと思ったら、今度は犯人に狙われるのではと疑心暗鬼になり追い詰められていく展開で、見ていてこちらもハラハラドキドキ、胃が痛くなりそう。それで犯人がその隙に忍び寄ってくるのが面白かった。

「ミステリ劇場へ、ようこそ。2018」
@ラピュタ阿佐ヶ谷
一

一の感想・評価

-
志村喬がイヤらしいかんじでいい~。悪者たちがわざわざあんなリスクを冒して証人を殺しに行く意味がぜんぜんわからないけど、サスペンスとしてめちゃめちゃ上手いし面白い。チンドン屋のシーンとかなんなんだよと思うけどすごいハラハラする。そして沢村いき雄の顔が好き。
なやら

なやらの感想・評価

3.5
暗殺者による殺人現場を目撃した木村功が、妻の津島恵子と共に事件に巻き込まれちゃうサスペンス。話の枠組はアーバン(?)なのに、舞台となるのが下町商店街というのが面白い。商店街/スナイパー、この二項組み合わせの妙。
木村功のストレスフルな状況へ引き摺り込むサスペンス話法もなかなか充実している。鈴木英夫の地肩の強さを見た感じがする。影っぽく靄っぽい絵面もかなり好み。
あと、全編を通して音の演出に意識的であり、非常に冴えている。芥川也寸志の冷たく鋭利な劇伴もよい。
チンドン屋より後、中盤が少しダレるので−0.5。
古い商店、住宅街など街の風景が沢山映っていて良い。

主役夫婦のお店の中での会話、息が白くて昭和感あった。ラジオ主体の暮らしも。
津島恵子の洗濯物の干し方が雑で笑った。

とにかく警察が韓国映画ばりに無能でキーッ!となりました。
犯人の報復が怖くて警察に黙ってんのに、モンタージュとった次の日の朝刊に即時公開したあげく、護衛が杜撰極まりない!こわ!!
結局、自分達で身を守ってるじゃん。

あと、貨物列車の音で発砲音消すなら、列車が通過する前に停電にしたら撃てないからより安全だったのでは…

音楽と静寂がうまく使われていて怖さ増し増しでした。

ミステリ劇場へ、ようこそ。@ラピュタ阿佐ヶ谷
「七人の侍」で恋に落ちた二人が・・鈴木英夫「彼奴(きゃつ)を逃がすな」

日本映画から「音」を観る歓びを味わえたのは嬉しいかぎりです。さすがにヒッチコックやブニュエルのように「足音」を観せる芸当には及ばないにしても「音」からここまで不安感を醸す鈴木英夫の手腕は絶品です。

「七人の侍」で激しい恋に落ちた木村功と津島惠子が夫婦役。志村喬の刑事。そして二人を追い詰める犯人が宮口精二とは確かに同じ東宝なら不思議じゃないが今から観れば巡り合わせの悪戯とさえ思えてきます。
以前
日本映画専門チャンネルで放映してて、大体内容は覚えてるけど、雰囲気のあるサスペンスで面白かったから、また観たい映画

汽車の通る音が迫力あった


DVD発売してもらいたい!
モチ

モチの感想・評価

4.5
先ず木村功が旧友に会い現状の自分と比較し嘆き、妻が説得するもラジオ修理の仕事を続けていいものか悩むが、お客さんが来た瞬間に颯と笑顔になり、もう少し頑張ることを決意する。夫婦の絆が簡潔に表現され、これより幾度もある夫婦が連れ添って歩くショットが素晴らしく見える。
中盤で犯人と間違え木村功が逃げる時にカメラが太陽に向き一瞬だけ画面が真っ白になり、爆発した様な興奮がある。さらに殺人事件を目撃する短いショットの積み重ね。目撃した事を報告するか悩む夫婦を、部屋を暗くして殆どシルエットになる姿を捉えたローアングル。最後の犯人が報復に来た一連の場面。全てに緊迫感が張り巡らされている。
あーや

あーやの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

初めて鈴木英夫監督の作品を見ました。音楽を担当しているのが芥川也寸志ということだけ前情報で知り、後は誰が出るのかも内容も全く知らないまま見始めたのですがスリリングな良作でした!
ストーリーは自分の店の前で殺人事件があった夜、偶然一瞬怪しい男の顔を見たラジオ修理屋の店主が事件と関わりたくない一心で警察にも黙認を決め込むところから始まります。実は店主には妊娠中の妻がいて事件の翌朝、匿名の手紙で犯人らしき人物から脅迫の手紙が届いていたのですね。怖くてすぐに手紙を燃やしてしまいましたが、その脅しから逃れられずにただひたすらビビりまくる日々が始まります。

汽車が走っていくスピードに合わせてタイトルとオープニングクレジットが始まるのですが、これが結構おしゃれ。作品の中でも光と影を見事に使い分けて観客を不安にさせ、そのときの静寂や音をこれまた器用に使い分けて私達をより緊張させる。音楽というより音そのものですね。
近づいてくる汽車の音、ちんどん屋の楽器音、ドラム缶のゴロゴロと転がる音など普段だったら気にとめないような音が「もしかしてこの音は・・!」と主演の木村功共々私たちの恐怖心も煽るのです。
特に好きだったシーンは、黙認をするよう懇願する妻と困惑する夫のやりとりのシーンです。白黒の画の光と影を利用して、二人の表情を交互に撮影する。光の強弱を微妙に変えることでわざと木村功の横顔を暗い影でいっぱいにして不安そうな表情を汲み取らせ、彼の「わかったよ」という納得した返事の後は津島恵子にもう少し光を当てて彼女の安堵の表情をはっきりと見せる。うーんっ!細かい!!色がないことを光と影を駆使することで利点に変えた演出。お見事です。
彼の演出は、さすが和製ヒッチコックと言われているだけあります。鈴木英夫監督はきっととても粋な方なのですね。
そしてキャストが豪華!木村功と津島恵子が夫婦役(‼) 、警察官役に志村喬、犯人役に宮口精二と次から次へと出てくる七人の侍の役者たち。
序盤から仕事のことでうじうじしている木村功が頼りなくてとても良い。頼りない割にラストでは、あの手この手で妻や街の人間に犯人と対峙していることを伝えようと奮闘していました。ただその頑張りも虚しく空振り続きなのですが・・・。志村喬演じる張り込みの警察も意外と大したことないのね。
銃撃戦のあといきなり朝になって新聞の見出しを写し、元の殺人現場の看板が塗り替えられるところですっきりと終わる。
まんまとドキドキさせられましたよーーー。面白かった!!そしてやっぱり芥川也寸志の音楽は奇妙!彼が日本音楽界の歴史を変えた天才なのは紛れもない事実ですが、変人気質もちゃっかり父親から受け継いでいると思います。
シネヌーボにて8月いっぱいまで日替わりで上映中の鈴木英夫監督特集。彼の作品はソフト化されていない作品が多いため、上映期間中にできる限り観たい。
ただ、私が東南アジアに沈没しに行く間に数本名作らしい作品を見逃してしまうのが心から残念でなりません!今回を逃したら次はいつ観れるのかしら。。
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