青い青い海の作品情報・感想・評価 - 2ページ目

青い青い海1935年製作の映画)

U SAMOVO SINEVO MORYA

製作国:

上映時間:71分

4.1

「青い青い海」に投稿された感想・評価

Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

5.0
‪「青い青い海」‬

冒頭、激しい大海原の描写。
大嵐で船が難破、小島の漁業、漁民、2人の男性、美しい娘との出会い、同時に彼女に一目惚れ、ライバルに、遠い街へ、花、裏切り、怒り、集会で糾弾。今、美しい海の背景と共に若者達の愛と友情の物語が始まる…

本作はボリス・バルネット監督の最高傑作と言われている作品で、この度DVDで初見したが、大傑作だった。

オールタイムベスト級のレベルだ。

アゼルバイジャンのフォークメロディーがとりわけすごく気に入った。

本作はプーシキンの「漁師と魚の物語」の冒頭の"むかしむかし、おじいさんとおばあさんが住んでいた青い青い海のほとりに…"からタイトルをとられているらしい。

黒澤明の「羅生門」の時に、フィルムを太陽に向けたのが画期的で西洋諸国にセンセーショナルを巻き起こしたが、本作にも太陽が映る場面があるが、こちらの技術も当時考えるとかなり画期的だったと思う。

スローモーションで、波の滑らかさを強調した場面や太陽に照らされる黄昏の海の美しさがモノクロームのコントラストと合い、また2人の青年の主人公を遥かに超える存在感を生み出したキリロフの撮影は古典映画としては最高レベルの技術で、まるで海が呼吸している様な錯覚に陥る強力な波の映像が素晴らしい運動を起こしている。

それと歌と踊りが全編を通して表現され、そのイマジネーションは凄い。

エレーナ・クジミナ演じるヒロインが悲しそうな顔でガラスのビーズのネックレスが弾け飛ぶ高速カメラ撮影は凄く、床に落ちるシーン等めっちゃ好き。

ゴダールが影響を受けている事は一目瞭然だ。

2人の若者が終始ヒロインを奪い合って仲間割れし始めて、暴力沙汰になったり、それでも海の恐ろしさ、自然の猛威を力合わせて乗り越えたり感動する。

また、日の出の捉え方や役者の芝居も素晴らしく、こんな演出じゃかなり辛いロケ撮影だっただろう…。

因みにロケ地のアゼルバイジャンのカスピ海の海岸はとんでもなく映画的には美しく表現できる。

バルネットの作品はまだ3作しか鑑賞してないが、何れも悲劇的な設定を喜劇調に塗り替えて行く、即興運動によりチェンジしていくのが特徴だ。

あくまでも観た作品からそう見て取れる。

本作の主人公の1人はアゼルバイジャン人でもう1人はロシア人で、2人を虜にする女性は何人なんだろうか少し気になる。

好きなシーンではあまり気づかなさそうだが、ランタンが映るフレームがあるのだが、その画作りがとても美しく記憶に残る。

どうしてこの監督の登場人物がこうまで深みがあるのだろうか。

余談だが、俳優のスヴェルドリンは日本人役でウシジマを演じているらしい…多様なキャラクターにイメージを膨らませる天才だったらしい…それとヒロイン役のマーシャを演じた女優クジミナは監督の奥さんだったらしく、知らなかったので驚いた。

ちなみにブレッソン同様でいちど使った役者(モデル)は二度と使わない主義らしいが、前作の「国境の町」での芝居にひかれた監督は彼女をそのまま本作に起用した珍しい出来事だったらしい。

本作をまだ未見の方はぜひ見てほしい。
レンタルなどもされていないと思うので、中々見るのが大変だと思うが、ワールドシネマレベルで大傑作だと思う。‬

‪この調子で「騎手物語」「諜報員」「賞金首」「アリョンカ」等も観ていたいが、中々観れる術が無いのが残念だ…。早くどっかのメーカー円盤化して下さい…お願いだ。‬
裾が濡れないようにスカートをたくし上げてるのほんとにいい。
lag

lagの感想・評価

4.5
雄々しく寄せる海。友達のふたりと麗しの娘。夕空の浜辺に歌う。澄んだ朝の空に歌う。島の漁村の住民たち。零れ落ちる硝子球。終わらない胴上げ。木のぬくもり。船出。雲の切れ間の太陽。So Good. хорошо. By the Bluest of Seas.
knkne

knkneの感想・評価

5.0
静かな波も嵐に荒れる海も人生そのもの。
2人の男が1人の女を取り合う。
波は寄せては返すを繰り返してきたようにこの物語は今も世界のどこかで必ず存在している。
船内で揺れ動くは船体だけではなく2人が彼女を思う心。浜辺でのワンシーンでマーシャのワンピースも風に揺れるところや弾けるビーズのネックレスも個人的にグッとくる。
何よりこんなに海や風を、動的に揺れ動くそれぞれを時に穏やかに、大きく美しく捉えた映画はない。波に煌めく光も素晴らしい。
それらは底知れない生命力を持って描かれている。また音声映画でありながら無声部分を導入し映画の実験的要素を入れつつユスフの歯痒さをこちらにも追体験させる。
胴上げのシーン、くすぐったい、よせ!のくだりがいい。ユスフの中立的な立場と天丼パターンが物語を軽快で面白くさせる。
作品全体にいい影響を与えるスパイスとしての役割を全うする。
メロドラマ的でありつつ非常に軽快なコメディである今作は多幸感を人々の心に注ぎ込んでゆく。
atsuman

atsumanの感想・評価

3.0
友達同士が1人の女を好きになるけど婚約者がいて、遠く離れたとこにいる婚約者が心変わりすることを想像してみろと。
あなたのために守り通した女の操。
ENDO

ENDOの感想・評価

4.0
旧ソ連領アゼルバイジャンのカスピ海の美しきある島。コルホーズの漁業集団の元に2人の若き工員が難破し流れ着く…そこの団長は麗しき女性マーシャであった。アリョーシャのだんまりとユースフの喧しさ。寄せては返す穏やかな白波が太陽に照り返され光り輝く。2人は1人の女性に恋をする。海の撮影が素晴らしい、特にマーシャが何とか沖から砂浜へ這い上がろうとしている姿を2人が見つけ出し駆け寄るシーンの躍動感は出色。徒労感が強いが一見平和に見える島は引き裂かれた2人を分かつ戦時でもある。
蓮實の『映像の詩学』の中のジョンフォードに関する論考で、「ジョンフォードが感動的なのは男たちを待つ女たちの腰につけられたエプロンが飜る様が、見る者の感性を揺るがすからだ。」的なことが書いてあって、読んだ当時は「ホントかよ」って思ってたけど、この映画見てるときに、島から去っていく2人の主人公を浜辺から見守るマーシャのワンピースが風で揺れている様にいたく心を打たれている自分に気づいて、蓮實の論の決定的な正しさを痛感した。
運命の女神を騙すのよ
蹂躙

蹂躙の感想・評価

4.0
海の波が綺麗。タイトルもいい。とても青い海の近くで、みたいな?

コルホーズって単語久しぶりに聞いた。プロパガンダ映画かもしれないけど、さわやかさの方が勝ってる。(でも結局ロマンスしてないで、男で結束して労働しろ!っていうメッセージも暗に働いているのだろうか?)

女のコの取り合い方がロシア式。マーシャが最後言ったことはとても頭がいい。マーシャがネックレスをちぎる時のスローモーションが好き。

背が低い方の主人公がくすぐったがりなのがうける。

三角関係の話はこれが一番好きかもごめん