五部作のうちの三作目。だんだん武蔵が何を求めているのか分からなくなるw
前作で浪人達を切り捨てた武蔵は、名高い柳生石舟斉との立ち合いを望むが断られる。しかし石舟斉の切った花の茎に武蔵としてはただならぬものを感じ城内に通される。
外で何やら犬の鳴き声、そして犬は死んだようだ。武蔵と行動を共にしていた小僧が犬を撲殺したのであった。武蔵と小僧は城内で取り囲まれる騒動に、武蔵は二刀流を開眼する。、、とお通の笛が聞こえる、、、城内にお通がいるのか?武蔵と小僧はその場を逃げる。
又吉は工事現場で働いていると、侍同士の小競り合いがあり死んだ侍から混乱の中カネと佐々木小次郎という署名のある巻物を授けられる。
大阪へ向かう船の上で佐々木小次郎と吉岡門下の武人が小競り合いし、小次郎は武人の髷を切る。
武蔵は吉岡清十郎に果し状を送るもなかなか決戦が決まらない。清十郎は朱美を気に入り、嫌がる朱美を無理やり襲う。朱美は半狂乱となったところを小次郎に助けられる。
ついに清十郎と武蔵の果たし合い。おばば、お通、小僧が見守る中で二人の戦いが始まる。武蔵も清十郎も木刀だ。武蔵の一撃が清十郎の左肩に振り下ろされ勝負は決まった。左手の骨が砕けており小次郎は血が頭に回らないように清十郎の左腕を切り落とすのであった。
武蔵は清十郎の弱さを認識し、さらなる高みを目指し旅を続ける、、、、
なんだかピンとこない回であった。小僧が犬を殺した(それも驚きだけど)結果城内で取り囲まれた武蔵が苦し紛れに二刀流を開眼するんだけど、もうちょっと理にかなった感じで開眼して欲しかったなあ。
今回の敵役の清十郎が最初からおどおどしてて、最後の決闘もあまりカタルシスは無し。
前作で無益な殺生に疑問を抱く武蔵だが、その気持ちがありつつも名門の道場破りをして人を殺すことも厭わない武蔵の行動の整合性が取れないのだけど、萬屋錦之介の目力と迫力があまりにも凄いのでなんか武蔵の行動には説得力を感じてしまうという不思議な一本。
内田吐夢自身が体内にある強烈なエネルギーをどこに向ければいいのか見えない中で映画を撮っていたのかもしれない。