この話がどこまで実話なのかはわからないけど、素直にうらやましい青春だと思わされてしまった時点でこの映画の勝ち。自らの青春を描いて、美化するのでもなく卑下するのでもなく、全然嫌味に感じられないというのはけっこうスゴイこと。
若手俳優たちのはじけた姿が観てて気持ちいい。ライブシーンの躍動感は楽しい。ベタで寒くなりそうなギリギリの笑いも、勢いで押し切ってる。
谷信雄に捧げられた映画だけに、谷役の玉木宏が一番おいしい役どころだけど、陣内自身を演じる中村俊介もけっして霞んでおらず、目立ちたがり屋のキャラクターを遺憾なく発揮してしっかり存在感をみせている。そのへんのサジ加減が、意識的なのか無意識なのかはわからんが、絶妙。それでいてラストではしっかり切なさも感じさせる。これまた嫌味なく。