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死と処女(おとめ)のmhのレビュー・感想・評価

死と処女(おとめ)(1995年製作の映画)
5.0
ひさびさすごいのみた。
南米のとある国(チリがモデル)で起きた、拷問事件についての密室劇。
ミステリーでいうところのクローズドサークルという状況で、過去に起きた拷問事件の全貌が次第に明らかになっていく。一夜の嵐の間に起こった出来事。
情報を開示するタイミング、人物の出入り、謎が解けて真実に近づいていくカタルシスなど、芸術品のような完成度。
脚本すごいし、監督すごいし、役者もすごい。
クライマックスは断崖絶壁なんだけど、火サスのそれとはテンションが違いすぎる。
チリがモデルであれば、軍政下の活動家たちの話かな。クーデターが起こる前のチリは社会主義国なので、反体制のレジスタンスたちはファシストと呼ばれることになる。
旦那さんがレジスタンスメンバーのトップだったと判明するところをさらっとやるのがまたかっこいい。
「結果を考えないのは子どものすること」とかいいセリフだったけど、翻訳者戸田奈津子だった。
こういった、史実を元にした一級のエンタメがもっと作られて欲しいね。
渋谷TSUTAYAのVHSで見たんだけど、これだったらDVD買っても良かった。
とんでもなく面白かったです。
mh

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