ブロンド少女は過激に美しくの作品情報・感想・評価

「ブロンド少女は過激に美しく」に投稿された感想・評価

ユタ

ユタの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます


会計士の男マカリオは仕事場の窓から見える少女ルイザに恋をし、なんとか結ばれようと奔走するが…



妻にも友にも言えない話は見知らぬ人に…と偶然隣りあわせた婦人にマカリオが話しかけるシーンから自然と物語に引き込まれる。


そしてあの結末。ああいう突拍子も無い結末好き。

ただサロンのシーンで読まれる詩や、
マカリオがルイザを隣の建物の窓越しに見るときの断絶感、非対称な撮り方がマカリオの未来を暗示してるようにも思った。

オリヴェイラはこの作品を撮ったとき100歳だったらしいけど、全く古くささがない。
レビューを漁っていて、反音楽、反モンタージュ、というキーワードを見て少し腑に落ちた。
サクッと見れる尺も良い。面白かった。
この作品を観るとなぜかものすごい勇気が湧いてくる。その理由はおそらく、オリヴェイラがこの作品でこれまで絶対できないと思われていたことに成功してしまったからだ。
この作品でオリヴェイラが成し遂げたこととは何か。それは現代の、文化的に発展した土地で、社会的弱者を用いずに、おとぎ話のように純粋な古典的な映画を作ったことだ。これまではそのような映画を作るには、心理的発展に乏しい人々や環境を使わなければならないと思われていたと思う。溝口が時代劇を多く作ったのも、ドラマ性を求めたこと以上に、心理的に成長してしまっている現代人よりもそうではない一昔前の人間たちを題材にすることで、作品に純粋性、言い換えれば情動の面での寓話性を導入することができたからであろうし、エリセが子どもを主人公にし続けたのも、フォードが西部劇に固執したのも同じ理由からではないか。
しかしなぜ現代の文化的に発展した土地で社会的弱者を用いずにこのような作品は成り立っているのか、それは一つのカットがあるからである。あの印象的な窓からの主観ショット。このショットが作品に寓話性を導入している。
であるから、一見単純に見えるこの作品はある一つの天才的なショットが無ければ成立しない、紛れも無い傑作である。
短編小説原作の本作を撮影中に100歳の誕生日を迎えたオリヴェイラ監督作品。
妻にも友にも言えないような話は見知らぬ人に話すべし…というプロローグから列車の中で青年が隣の席のご婦人に自らの過去を告白する。
生真面目そうな主演の青年は監督の愛孫のリカルド・トレパ。
向かいの家のブロンドの美女に一目惚れしたのだがと語る彼は浮かない顔で、そのストーリーがあまりハッピーではない事を予感させる。
様式はイソップ童話的教訓作のようで、ラストは呆気ないほどフッと終わる。
にも関わらずオリヴェイラの気配が画面の細部まで行き渡っていて監督にしか撮れないであろう秀麗な作品に仕上がっているのが流石だな〜と思う。
次作のアンジェリカの微笑みもそうだが紙芝居のような正面からの固定のカメラアングルが多くそれらが幾重にも重なって芳しい奥行きを感じられる。
100年生きた映画監督がこういうものを撮るのは驚くと共に感慨深いな〜。

美女の持つアジアンな感じの団扇がかわいい。
老齢という言葉に何の意味があるのか? オリヴェイラ「ブロンド少女は過激に美しく」

オリヴェイラ監督この時100歳超。
主演はお馴染み愛孫息子リカルド・トレパ君。

その半分程度しか生きていない自分が常に嫉妬している、もはや若き日の思い出の中にしか存在しない抑えがたい蟲。
それを100歳の監督がこうもたやすく手繰る事が信じがたい64分でした。
じえり

じえりの感想・評価

2.8
リカルドトレパはポルトガルでは有名なんだんだろうか?と思って調べたら監督の甥なんだね〜
ストーリーはあっさりした感じ
最後の線路や電車いつまでも流してるのが1番記憶に残る
終わった?!というふうに感じてしまった。まだまだですわ…
0miligram

0miligramの感想・評価

3.0
終わり方がなんだかなぁという感じ あっけない…
インテリアとか空間演出がよいです〜
iceman

icemanの感想・評価

1.8
100歳を超えた監督の芸術…?
そして64分という短編。

窓辺に佇む扇を持った一人の美女…

と聞けば男ならその容姿に見惚れ、胸をときめかせるもの…
その先のストーリーは一体何処へ向かいどう締めくくられるのか?
と想像するのがセオリー…

とすれば…
驚愕の64分…といおうか?
いや、それは僅かラストの5分程かもしれない…

そして最高の落ち…
このラストの画は…

これが100歳を越えた男の幻想なる芸術なのだとすれば私には程遠い歳月の感覚となるのだが…

つまりは、
この作品の "本質" がわかる人には芸術…
わからない人には?…
解る人に最高の芸術なんでしょうね…?

何ともこれが私の初感…
tjr

tjrの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

団扇をあおぐ少女と窓越しに視線を交わす、遠く離れたカーボヴェルデから手紙を送る、という「距離」に彼は囚われていたのであって、彼女を所有して距離がゼロになると共に団扇も愛も消えてしまう。マクガフィンとしての窃盗。
列車内でのリカルド・トレバとレオナール・シルヴェイラの交わらない視線、公証人宅での階段と鏡、部屋を横切る緩慢さ、見つからない帽子、片脚を上げること、独房のような居室や階段の奥行き、オリヴェイラ演出の別格さが端的に味わえる傑作。
オリヴェイラ落語はサゲが完璧。
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