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未来を生きる君たちへのmegのレビュー・感想・評価

未来を生きる君たちへ(2010年製作の映画)
3.9
※爽やかなパッケージと、希望に満ちたタイトルに騙されないで!
(良い意味で)


〝赦し〟か〝復讐〟か

これが、この映画のテーマです。



美しい自然の広がるデンマーク。
いじめられっ子のエリアスと、
転校生のクリスチャン。
一見対照的なふたりは、クリスチャンがいじめっ子からエリアスをかばった事により、仲を深めていく。

ともに家庭に問題があり、胸に哀しみを抱いたふたりの少年は、些細な出来事をきっかけに、とある計画を企てる。



どんなに善良な人であっても、一度くらいは、だれかを憎んだり、復讐してやりたい、と感じた事はあると思う。

理不尽な事を言う人や、不条理な出来事なんてあちこちに存在していて、大人であるわたしたちは、赦す、というよりも受け流して生活している。

『やられたらやり返す』

なんていう精神でいたら、世の中は争いだらけになってしまうから。

だけど、母を亡くし、痛みと怒りを心に抱えたクリスチャンには、やられたのにやり返さずに耐えることの意味が理解出来ず、〝復讐〟の計画を実行に移してしまう。

そして。



事件によって翻弄される二組の家族の葛藤と再生の様子が、少年の目線とエリアスの父の目線で描かれており、ハッピーエンドのストーリーは読めてしまったけど、押し付けがましくない程度の爽やかな感動が残る美しい作品でした。

登場人物みんなが問題を抱えながらも、事件をきっかけに、赦すことや愛することの意味を考え、一歩ずつ前に進んでいこうとするさまが感動的だったなぁ。


悪意は連鎖し、
さらなる憎しみをうむ。
残るのは、空っぽの心だけ。


意思を持っているかのように印象を変える空と雄大すぎる自然に、そう語られているようで哀しくなった。