医師アントンは、デンマークとアフリカの難民キャンプを行き来する生活を送っていた。長男エリアスは学校で執拗ないじめを受けていたが、ある日彼のクラスに転校してきたクリスチャンに助けられる。母親をガンで亡くしばかりのクリスチャンと、エリアスは親交を深めていくが…。
暴力、憎しみ、復讐。
そして、赦し、救済。
根深いテーマを扱った、考えさせられるストーリーだった。原題は『復讐』という意味。
終わらない戦争があるように、暴力って本当になくならないんだなって悲しくも思うけど、それを子供に教えられるのって、大人だけなんだよね。でも、非暴力を貫いた所で、そこに付け込んで来る人もたくさんいて…。なかなか終わることの無い負のループ。
暴力と一言で括ってしまうのも乱暴だな~と本作を観ていて思ったんだけど、平和な国のいじめや暴力と、貧しい国で色んな要因によって起こる暴力は、ベースも解決策も違いすぎて=には出来ないのではないかなと。
でも、暴力を暴力で返すとどうなるか?
という事を、アフリカのシーンを入れる事で警鐘しているんだろうなと感じたし、その中でも色々感じる事が出来るシーンだった。
セリフがそんなに多くない中で、観ている側に想像出来る余白を大いに与えてくれるの作品なので、本当に色々と思いを巡らせる事が出来た。
邦題がだいぶクサイ感じではあるし、原題や英題の方が断然いいけど、子供に見せたい作品だと思ったので、そういう意味では邦題もありなのかな。笑
大人もたまにはこういう作品を観て、考えなければいけないですね。
2022-172