海

ママの海のレビュー・感想・評価

ママ(1972年製作の映画)
5.0
短編集の、最後を飾るお話し。
ママと男の子。

男の子がねむっているあいだに、起こさないようにそーっと朝ごはんを運んで、毛布をかけてあげて、いそいで買い物に出かけていくママ。
時計を何度も確認しながらレジに並んだり、お店の人もお客さんも不思議な人ばかりで面白い。家には泥棒が入ったり、窓から落ちそうになったり危険なこともたくさん。

ママが留守の間にいろんなことが起こるんだけど、帰ってきてからの男の子のなんでもないよっていつもどおりの顔と、ママがそっと微笑んで流す涙が、すごくいとしくて胸がギューっとなった。
泥棒に持ち物ぜんぶ盗られたって、鳩に窓を叩かれたって、どうだっていいんだよね。たくさんのものを奪われて、失うし、見えないところにありえないくらいの危険も恐怖もたくさんある。
でも買い物を済ませて帰った時に、男の子は眠っていて、鳩が窓を叩いて目を覚まして、ママのことを見てにっこり笑う、それだけがだきしめてあげられるすべてなんだから。

この五つのお話の締めくくりに、この話とってもぴったりだ。
あなたとわたしのあいだにある愛のこと、こんなにちっぽけだけど、世界中が変わってしまうほどの、愛のこと。

2018/5/25