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ツィゴイネルワイゼンのnanaのレビュー・感想・評価

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)
3.9

桜色の骨

原田芳雄さんの毒と色気と熱量。

独特な世界観

痴美 官能 甘美
どの言葉が適切なのかわからない。

狂気と理性が混在する終始不穏なエロティシズム。
強烈なインパクト。


旅に出た士官学校教授の青地(藤田敏八)と友人の中砂(原田芳雄)。
旅先で出会った芸者の小稲(大谷直子)。
小稲は中砂の新妻に瓜二つで…。

夢と幻が交錯する快楽とジェラシー
愛に取り憑かれた男女。

不思議なストーリー
血を一滴も流さない死体。その女の股から出てくる赤い蟹。
焼いた骨の桜色。

大人のファンタジー?
強すぎる刺激の

中砂は奇妙な男だ。
夫の留守にいきなり家に現れ、親友の妻を追いかけ回す。
想像しない所に出てきてはまた逃げる。
逃げてはいるけれど
望んでいる。
抗わず歓喜に酔う。

この俳優さんは本当に女性を悦ばせる事が巧みなのだと思った。

「骨」の掴み方。
大概の女性は歓喜してしまうのだと思う。
「乱暴」と「愛でる」は全く異なる物であり…
足の甲から〜身体を掴む。
このシーンに自分が掴まれているような感覚になる。

この先に行ってはいけない気がした。

この作品を最後まで観たら熱が出そう。

強い映画。
怖いシーンを観ると、その夜は少しの悲鳴とたくさんの汗をかいて目が覚める。
それと似ている。

以前、“観た者の心を爪で引っ掻く”と言われている監督の作品を観た後に、熱が出て寝込んだ事がある。

 …明日は約束があるからもう無理。
半端ない熱量に途中退場した。

高評価が理解できる。
私は逃げた。
こちらの世界に足を踏み入れる勇気が無かった。


原田芳雄生誕80年特集上映で鑑賞。
登壇は妻夫木聡さん、坂本順治監督、原田麻由さん。
1時間ほど話を聞き、上映に入る。

初めて観る原田芳雄さんの主演映画。
ワイルドな雰囲気に端正な顔立ち。イケメンだった。

古い名作を映画館で観る事が出来る、という事で鑑賞。


徒歩で帰れる距離をタクシーに乗った。
クラクラする。

誘ってくれた友人は最後まで観て絶賛していた


※モテたくない男性には「娼年」を
※モテたい男性には「ロマンスドール」
※自信たっぷり、さらにモテたい男性にはこちらの「ツィゴイネルワイゼン」をお薦めします
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