河志麻二十日

震える舌の河志麻二十日のレビュー・感想・評価

震える舌(1980年製作の映画)
4.0
これほど感情を掻き乱されたことはないかもしれません。兎に角破傷風は怖い!ワクチンを打ってるから今は昔、なんて昔話のようにちょっと前までは言えてたかもしれませんが、ちょっと今は違う印象です。
 演者は全員演技が素晴らしかったです。渡瀬さんに十朱さんの次第にやつれてゆく様はまーちゃん以上に心配になるし、先生は一生懸命に休みなく治療にあたっていてそれはそれで心配になるし、子役のまーちゃんは悪魔に取り憑かれたかの様で恐ろしかったです。いちばん印象に残っているのは、北林谷栄です。いつも飄々とした役が多いイメージだったので、初めて病室のまーちゃんを見て驚く北林谷栄の表情が忘れられません。そこで思ったのは、病気で苦しんでいるのは孫で、勿論孫の病状が心配だけど、それよりも心配なのはつきっきりで看病にあたる息子なんだなぁということ。親はいくつになっても親なんだなぁと、一つの病室に集まる親子三世代の模様が興味深かったです。