題名や内容は聞いた事があった為、
その興味本位からの初鑑賞。
下手なホラーよりも怖いという評判だったが、
特別にその描写が怖いというよりも
その凄惨な医療や家族の描かれ方が凄い
と思う映画だった。
破傷風を患った幼い少女と、
その両親の闘病の日々を描いた内容
となっており、
暗く陰鬱で重苦しい雰囲気の中、
痛々しく痙攣を起こして泣き叫ぶ子どもは、
とても心苦しくなる場面の連続だった。
子役の演技も凄まじく、
その撮影方法も今ではおそらく無理
なのではと思う部分でもあった。
それと同時に治療する医師達
に対しては、本当に大変な職業だと
改めて感じる部分でもあった。
印象的だったのが、
治療を行う医師達に疲労困憊の母親が
ナイフを差し向ける場面だ。
加えて、その少女に寄り添って看病する
両親の狂っていく様をみると、
ミイラ取りがミイラになるではないが、
患者の家族に対するケアや周囲の支え
が重要だと痛感させられた。
渡瀬恒彦らの演技も輝いており、
幼い我が子を喪うかもしれないという
想いから、狂おしくなっていく両親の
危うさが感じられた。
個人的にホラーという印象は弱く、
家族の視点で破傷風の病状や当時の
治療方法を描いた、
良い医療ドラマだと思った。
好んで鑑賞するタイプの映画ではないが、
破傷風という病気の事や家族が
どのように病気に向き合えばいいのかを
伝える映画だった。
