よもぎ

震える舌のよもぎのレビュー・感想・評価

震える舌(1980年製作の映画)
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子供の頃から外で転んだりして出来た傷をそのままにしてると親や大人達から「破傷風になっちゃうよ~」等とよく注意された。だから破傷風という言葉は聞き覚えがあったけれど、どんな病気かは知らないまま大人になってしまった。
寧ろ日常でよく耳にしたからこそ、深刻な病気だ等とは考えもしていなかった。今日この映画を観るまでは。

日常で注意されていた病気が、泥等に含まれるバイ菌が小さな傷口から入り込み長く苦しみ舌を噛んで口の周りを血だらけにした挙句高い確率で窒息死か背骨を折って死ぬ危険性がある病気なのだと誰が思うだろう。
ホラーなテイストで撮られているのも相俟って背筋が寒くなる思いで観ていた。

幸いこの作品で破傷風に罹った娘は助かって心底ホッとした。
それでも苦しみに背が反り返る度に抑える父親が傍に居なかったら?痙攣を起こす度に気付いて医者を呼ぶ母の存在が無かったら?そう思うとあまりに身近な死の存在にゾッとする。
疲れるけど良い映画。
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