Ryu

心の旅のRyuのレビュー・感想・評価

心の旅(1991年製作の映画)
3.7
有能ではあるが、家族を顧みなかったり、証拠を握り潰して勝訴したり と冷たい性格の弁護士 ヘンリー。彼はタバコを買いに行った際に強盗に出くわしてしまい、撃たれてしまう。一命は取り留めたのだが、運動機能や記憶を失ってしまう。理学療法士たちに支えられて回復していったヘンリーは退院し妻と娘が待つ自宅に戻ることになる。

事件前は傲慢で冷徹で、回復後はすっかりイイ人になっちゃって性格が180度ひっくり返っています。能力を失ったかわりに誠実さを手に入れたヘンリーは周りの人々に支えされてどんどん人生を取り戻していきます。人生を取り戻していくとどうしても過去の自分のことも知っていき、過去の自分への嫌悪感、過去の自分との違いに苦しむこともある。それでもヘンリーを支えてくれた奥さんが素晴らしいです。
そして何より、理学療法士のブラッドリーがマジでイイやつ!陽気で一見中身なさそうな人間に見えるけど、彼も過去に“失う”経験をしています。しかしそれを悔いてはいなくて、そういったことがあったから今があるんだ ということをヘンリーに教えてくれます。このブラッドリーの存在が今作をさらなる温かみをプラスしてくれていたような気がしました。
ストーリー展開は想像通りだし、ちょっと上手くいきすぎてるんじゃないかとも思いましたが、やはりここまでキレイなお話だと心が洗われます。テンポもよくて観やすいし、ハリソン・フォードやアネット・ベニングの好演も相まって非常に心温まる作品になっていたと思います。
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