ぬーたん

心の旅のぬーたんのレビュー・感想・評価

心の旅(1991年製作の映画)
4.0
1991年作品。
時々観たくなる心温まる作品。
この時代は、直球のヒューマンドラマが多かった気がする。
今なら退屈で緩いと思われるのかな。変化球がないとね。
主役はハリソン・フォード。
何を演じても同じ、とか批評されているけど、今作のヘンリー役は良い。
事故からの回復が早くてリアリティーには欠けるが、1時間半という飽きずに観れるちょうど良い尺の中では仕方ない。
妻役はアネット・ベニング。
色気あり、感情豊かで、愛情に溢れている妻役を好演。
娘役は見かけは可愛くないがw優しくて素直な良い子にピッタリな素朴な子役さん。
そして、介護士のブラッドレーを演じているビル・ナン。
とってもいい。陽気でちょっとエッチで最高のリハビリトレーナー!
ヘンリーに言うセリフがとてもいい。特に家に訪ねて来た時の自分の話は心打たれた。
彼との別れを残念がるヘンリーの気持ちが良く分かり、泣ける。
このビルさんは2016年に亡くなっている。
脚本を書いたのは、何とJ.J.エイブラムス!まだ25歳位だったのに、こんな繊細な本が書けるなんてやっぱり天才だわ。
音楽はハンス・ジマーだし、監督はマイク・ニコルズと、豪華。
良い作品になって当たり前という感じのスタッフ~。
『リッツ』の大きな絵。図書館の2人。犬。
お手伝いのロゼラと秘書のジェシカのキャラ。
全部いい。

ヘンリーに起こったことを淡々と描いていて、過去と比べるシーンも取り戻そうとするシーンもないのがいい。
本流から分かれて細い支流へ。別の方角に流れ始めた川のように、違う人生を歩いてるかのようだ。
失ったもの・代わりに得たもの・残っている大事なもの。
大切なメッセージを観る者に与えてくれる。
希望を夢を愛を感じることが出来る。
様々な現実的問題は解決していないし、ハッピーエンドとは言えないかもしれないが、ここは、素直な気持ちでこのメッセージを受け入れたい。
そんな気持ちになれる良作だ。
あ、リッツが食べたくなったよ。
タラモを塗って。
ぬーたん

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