再鑑賞。
引き込まれる。余すところなくブルースリーであり、彼以外では成立しないシーンのオンパレード。
ちょっと笑えるところがあるが、アクションは目覚ましい。そのメリハリがたまらない。
焚き火で焼いた肉を、渾身の力で噛みちぎる、そのワンシーンで唯一無二を体現してしまう。
タイトル通り「怒りの鉄拳」が、自分を侮辱する者、自分を欺く者全てに向けて炸裂しまくったこの作品では、相手が民間人だろうと容赦ない。なぜなら、限界まで怒ってブチ切れているから、見境などつけられないのだ!
もちろん、ただ感情的にリーが不当な輩を殴るだけの映画ではない。ブルースリーが、「最も映える殴り方」を、ここまで突き詰めていたということが、観るものを感嘆させるのだ。
そして、こんな役者は、彼以外には世界のどこにもいないのだということがはっきりと伝わるから、観客は彼に魂を奪われるのだ。
「燃えよドラゴン」よりもはるかに剥き出しな演出によって、 ブルースリーの旨味が余すところなく引き出された大傑作。カンフー好きな僕たち、私たちの、時代を超えたバイブル。