Mikiyoshi1986

ドラゴン怒りの鉄拳のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

ドラゴン怒りの鉄拳(1972年製作の映画)
3.7
本日11月27日は伝説のアクションスター、ブルース・リーの生誕77周年記念日。

32年という短すぎる彼の生涯は、カンフー映画のフィールドで鮮烈な輝きを放ちながら燃焼していった濃密さで溢れ、今も我々を魅了し続けています。

『ドラゴン危機一発』に次ぐ、ブルース・リー主演の第二作目となった『ドラゴン怒りの鉄拳』

20世紀初頭の大日本帝国占領下における上海で、毒殺された師匠の敵討ちを一心不乱に遂行してゆくブルース・リー。
この男を怒らせたら最後、仲間への迷惑もお構い無し!
もう誰も止めることは出来ません。

自制が効かず、とにかく敵を殺しまくってはわざわざ電柱に吊るしてゆく主人公らしからぬ陰惨さ。
敬愛する師匠の墓前では夜な夜な焚き火をし、得体の知れぬ動物の丸焼きを虚ろな表情で喰らうホラーっぷり。

そんな負のオーラに満ちた本作は師匠の復讐以上に、とことん踏みにじられた中国人の誇り奪還へと移行していく重厚な精神性ドラマでもあります。

目にも留まらぬ早さで繰り出す打撃と圧巻のヌンチャクさばき、そして怪鳥音は以降リー氏のトレードマークとなり、
特に本作では対日本刀の戦いが見どころかと。

芸者ストリップや人力車、リー氏の顔芸など笑いどころもひっきりなしだし、
ショートカットのノラ・ミャオの可愛さも一級品です(毛量は多すぎ)。

最大の見せ場が冒頭の虹口道場殴り込みだったりもするけど、
やはりラストは『明日に向って撃て!』ばりの悲哀が一番胸を揺さぶるのです。
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