幼馴染との結婚のために上海へやってきたチャンだったが、突然の師匠の死に遭遇。
裏に日本人道場が絡んでいることを知って・・・。
『ドラゴン危機一発』でアクション・スターの座を手にしたブルース・リーが、前作に続いて主演した第2作目。
師匠を暗殺された男が、犯人を突き止めてぶっ殺す話。
犯人のみならず余計な人までじゃんじゃん殺されてるが。
なんか、今観るともっさりした話だなぁと思います。
序盤から中盤までの主人公の動きを見ると、「衝動的に動いて周囲に迷惑かける奴」でしかなくて。
教訓は「短気は損気」か…。
まぁストーリーは二の次で、アクションを観れればそれでイイ的な作品ではあるのだが。
驚くのが、ブルース・リーの映画の格闘シーンでは間合いの取り方がやけにリアルだったりする。
これが、この後の『ドラゴンへの道』以降は、映画の殺陣では考えられない「フェイント」を本格的に入れてくる。
ここが単なる「アクション・スター」ではなく「武道家」の彼らしい所だ。
ハイ・キックは見せ技。
だけど間合いのリアルさだけは譲れない所なのだろう。
故に素晴らしいまでの、「格闘」に対するこだわりだ。
また、アクションだけではなく、リーの表情が素晴らしい。
怒り、苦しみ、笑い、泣く。
顔を動かさずに瞳だけで相手を見る、また相手を諭す様に、わずかばかりに首を振る。
大胆かつ繊細な演技を、リーは表情で完璧に表現をしている。
戦ってて、2人を持ちあげてぶん回している相手が思いっきり人形だったところ意外はvery good。
ちなみに「ヌンチャク」もアチョーという「怪鳥音」もこの映画が初めてである。
あと、リーがさえない電話工事人や、新聞売りの老人に変装してボスの邸宅を偵察するシーンはちょっと笑えます。
ただ、結局正面突破して戦うのだから、下見なんてせず最初から乗り込んでいったらよかったんじゃないか、とか思ったり…。
また、この作品でリーの仲間たちを攻撃する悪者は日本人です。
日本その他の外国が中国に侵略を開始していた、20世紀初頭の上海での話です。
袴を前後ろ逆にした奴とか、当時ありえないはずの茶髪とか、変な日本人が相当出てくる。
謎なのが、腹巻をしてるというのが日本人のシンボルだったり。
とにかく日本側の描写が酷く、芸者をあげての宴会シーンは、見るに耐えませんでしたね。
いくらなんでも日本人の描き方に悪意が満ちすぎてるよ。
監督の反日感情丸出し。
あと、『ドラゴンへの道』とヒロインが同じだったり、敵の手先やら裏切る人とかも同じ人だったりで、同じ劇団の別の芝居を観てるような感じだった。
ノラ・ミャオは相変わらず可愛いなぁ…。
ちなみに、最後に鈴木がブルース・リーの蹴りを受けて、障子を突き破るシーンのスタントマンは、実はジャッキー・チェンなのです。