むぅ

エイリアン/ディレクターズ・カットのむぅのレビュー・感想・評価

4.1
「え、狼男とかなんスか?」

皆既月食だったので今作を観た。
そんな話をしていたら、何のバイオリズムかは不明だが突如怖いと言われている作品を観たくなる事があると話したことを覚えていたらしく、そう聞かれた。

「いや別に満月に血がたぎったわけではなくて」
「じゃあ何でスか?」
「いや、皆既月食に宇宙を感じたので...」
「あれっスよね」
「何さ」
「すっごいシンプルな思考回路っスよね」
「.....そりゃどうも」

という事で、脳みそシンプル案件。


2122年、搭乗員7名を乗せた宇宙貨物船ノストロモ号は地球へ帰還する途中、知的生命体からのものと思われる信号を受信。
発信源の小惑星に降り立つのだが。


モノリス....?
オープニングで宇宙の真ん中に白い縦長の板のような、穴のようなものが現れる。
『2001年宇宙の旅』で私には衝撃的だったモノリスを思い出す。
この白い穴の向こうには何が!とワクワクしながら観ていたところ、なんて事はない『ALIEN』の文字が現れていく。
白い穴は"I"の字であった。
宇宙のどこでもドアかと思ったのに。でも『ALIEN』と浮かび上がっていくのはカッコよかった。

SFホラーというジャンルの作品を観るたび思うのは、未知の生命体も恐ろしいが人間も恐ろしい。
人間同士、疑心暗鬼になったり裏切ったりする様子を未知の生命体はどう見ているのだろうかと思ったりもするし、あちらから見たら我々の造形は禍々しいものなのではとも。
集合体恐怖症的にはツブツブ・ボツボツは登場せず、グチョグチョ・ベチョベチョの今作は比較的目に優しい。

窮地に陥った際、決して省いてはいけない手順を守ろうとする人が疎ましがられるのがまた何とも。
物語内ではその手順をすっ飛ばしてもらわないと話が進まなくなるので「いけいけ!」と思うのだが、現実世界ではちゃんと「ダメ!待って!」と言えるようにいようなどと思った。

面白かった。


何やら私の観た映画の感想を参考にしてくれているらしく
「一言で感想を、面白かった以外で」
と言うので
「本気の一言感想はセクハラになりかねんので」
と申し上げたところ
「大丈夫っス」
との事だったので、正直にお伝えした。
「宇宙に行く時はもう少し大きいパンツが良いのではと思いました」

致死量に達しそうな冷たい視線を頂いた。
エイリアンを見るような目で見ないで。
むぅ

むぅ