NAOKI

エイリアン/ディレクターズ・カットのNAOKIのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

皆さんはオーディオ・コメンタリーって楽しんでいらっしゃるでしょうか?

時々ボーナス・トラック的に映画本編に監督や出演者が副音声であれこれ裏話を喋ってるようなあれです。

おれはこのオーディオ・コメンタリーが大好きでよく楽しませてもらってるんですが…

さて、リドリー・スコット監督自身によるこの「エイリアン」のオーディオ・コメンタリーが最高に面白かったんです。

とにかく始まりから終わりまで監督が一人でずーっと喋ってるんですが…これが面白い。

例えば…フェイスハガーが飛び出してくるあの卵…半透明に透けて見えていて中で何かがシャコシャコって動くシーンありましたよね…思わずゾクッとするあの名シーン…

「あれはゴム手袋を着けた私の手なんだよ」

えー!まじ?
監督はそのアイデアでずいぶん制作費が浮いたって自慢する。

ノストロモ号からの着陸船があの惑星に降りるシーン…宇宙船の模型にあまり予算が割けなかったので小さくて…

「船底の光の点線が曲がっているんだよね」…と悔しそう…

おれなんか民間の輸送船なんだからある意味リアルと思って観ていたのに…その光の点線が映る度に「ほら、曲がってる…やっぱり曲がってる」ってぼやく監督がおもしろかった。

オーディオ・コメンタリーの面白さは本編とはまったく違うギャップ感を楽しめるのと、その苦労を知ることでよりその映画に愛着が増すことです。

他の映画でも…例えば…
「パシフィック・リム」
デルトロ先輩のカイジュー愛が炸裂してて最高です。「中島イズム」という言葉が何度も出てくるので誰のことかと思ったらゴジラの中に入っていた中島春雄氏のことなんですね…先輩!日本人だってなかなか知らないよ!

それから「風の谷のナウシカ」では、宮崎監督ではなく、巨神兵の作画を担当した関係でエバやシン・ゴジラの庵野秀明氏がコメンタリーをやってる…
宮崎駿をディスるんじゃないかとワクワクして聞いてたら…もちろんそんなことなくて…キツネリスのテトが出てくる度に…
「可愛いなぁ!宮崎さんはこういう動物描かせるとほんと上手くて可愛いなぁ!」
としきりにテトばかり誉めてたのが可笑しかった…

あと…邦画だとJホラーのコメンタリーが面白いですね。
おれの敬愛する呪怨4を撮った三宅隆太監督なんか…本編でおれが震え上がったシーンをなにも言わずに一緒に観た直後に自分で作ったくせに他人事のように
「そりゃ怖いですよね」とか「こんなことされたら…そりゃビックリしますよね」とかとぼけた調子でコメント入れて腹が立つやら可笑しいやら…

そんなわけで是非皆さんにも好きな映画にオーディオ・コメンタリーが入っていたら楽しんでください。

ここまで書いておいてなんですが…
このエイリアンのコメンタリー…このディレクターズカット版かオリジナル版かどっちに入ってたか確認忘れました。
聴いてみたいと思った人はジャケ裏確認してください…すいません💦

リドリー・スコット監督は宇宙船の模型に予算が出なかったことをよっぽど恨んでるみたいで…あの卵が発見される異星人の馬蹄型の宇宙船も模型が小さくショボかったので…粗を隠すために古いビデオカメラで撮影してモニターに写すことで誤魔化した…と悔しそうに言うんですけど…監督…そのせいであそこが名シーンになってるんですって!
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