最強のエイリアンもネコには勝てぬ
モンスターパニック映画の古典名作にこの作品を数えない人間はまずおるまい。あの無駄にごてごてしたデザインの宇宙人の巣窟や、物理法則など知るかとばかりに洗練された内装にされた宇宙船、浪漫を突き詰めたようなエイリアンの造形。ビジュアルのどこを取っても今尚最高クラス。
予算にまかせて大味な物量作戦を取るかといえばそんなことはなく、登場するメイン級のエイリアンはただの一匹。しかしその一匹を丁寧に料理するものだから、洋画×モンスターパニックでありながら這い寄るような恐怖を覚える。
一番心に残ったのは血液が強酸性の液体という設定。血液が武器として使われることはないのだが、閉鎖空間という状況がその設定だけの存在をとてつもない制約にしている。生物的にもそんな存在は厄介極まりないしね。