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あんなに愛しあったのにのkzmのレビュー・感想・評価

あんなに愛しあったのに(1974年製作の映画)
5.0
日本語バージョンは探すのがほぼ不可能に近かった為、わざわざヨーロッパから取り寄せて鑑賞。

やっぱスコラも天才ですよね。
ノスタルジックであり、本質的であり、ロマンスであり、ドキュメンタリーであり。

戦友3人の変わらない友情と変わってしまった友情。
人間関係の変わりうる可能性をうまく描いていますね。結局はエゴだったり、見栄だったり。
Gianniは過去自分の取った選択に関して後ろめたさや罪悪感を感じていたとしても、あの様な形で親友を欺けば、変わらない友情も変わってしまうでしょうね。
ただ友情が変わってしまいそうで、あえてその選択をしたのでしょう。それは勇気や覚悟であり、逃げでもあり…

この壊れてしまった友情ゆえに、「あんなに愛し合ったのに」という過去形の題名になるわけですね〜

かなり良い題名だと思います。

演出の面白さもかなりこの映画の魅力ですね。交差点でみんなそれぞれ4方向に進んでいくシーンであったり、ガレージから車がぞろぞろと出るシーンであったり、廃車の処理場のシーンであったり。

そして、La Dolce Vitaと撮影シーンで、フェリーニとマストロイアーニが出てきたり、デ・シカの自転車泥棒が出てきたり、イタリア映画への深い愛も感じられて、最高ですね。
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