金子

アキラ AKIRAの金子のレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
3.3
AKIRAは今の今まで実は未履修でありました。
当時の映像技術の粋を結集して作られたアニメーションという事は承知しておりましたが、当時は非常にセンセーショナルだったでしょう。
3Dを駆使して作られた事によるキャラクターの滑らかな動き、背景の緻密さなどこの作品が今日までの日本のアニメに与えた影響は計り知れないと感じました。
アニメに対して物凄く詳しいわけではないのですが、それでもキャラクターやメカには後世に似たものを見出す事は容易にできるものでした。
昨今はSupremeとのコラボなどもあり、注目度も上がっていました。
そして、リメイクアニメ、ハリウッドでの実写化と今後様々なプロジェクトが進行するというのも納得できます。

描かれている2020年が現代になった今では、こういう時代が来なくて良かったなと胸を撫で下ろすばかりです。
表立っていないだけで、実はそれに近い状況であるのかもしれません。
現状に疑問を持ち、様々な行動に出る人が出てきているというのは見ていてドキリとしました。
皮肉にも形は違えど、物語の中の登場人物の多くの心境は現代を生きる我々の心境とリンクするものがあるのかもしれません。

今見るとちょっとしんどいかな?と思ったのが正直な感想です。
アニメーションの歴史の上での転換点である事は間違いないが、
ほぼ現在発表されているアニメーションにその遺伝子は無自覚に組み込まれているものなので、これを観たからどう!という事はないと思います。
温故知新を深く噛み締めたい方以外には特に勧めは致しません。
金子

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