中山弦

アキラ AKIRAの中山弦のレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
5.0
2021
AKIRAに初めて触れたのは、大学の写真研究部の部室だった。写真部の機材やプリント紙、資料が雑然と並べられた鉄棚の上に、力強く角張った字体で"AKIRA"と記された仰々しい漫画が6巻並んでた。その中身に触れたのは、二つ上の先輩が、AKIRA鑑賞会 と題した企画をしてくれたからだった。
鑑賞会では、映画中のあらゆる表現に振り回された挙句に
「これは10回くらい観ないとわからない気がしますね」
ということしか言えなかったのだけど、あれは何だったんだろう…と脳がもやついたような感覚に捉われて、何度も見返し、漫画を読み、解説を漁った。
僕が部長をした次の年に部室が移転することになり、部室引越しの計画は下の学年にほっぽり投げたのだけど、唯一
「AKIRAは残しときなー」
ということだけ口を出した。後に聞いた話だと、結局処分されたみたいだけど。

何度見返したかわからないし、これから何度見返すかもわからない。
ただ感じろ、と言われているような感覚、気持ちがいいので繰り返し観てしまう。
中山弦

中山弦