”未来は一方向だけに進んでいるわけではないわ”
第3次世界大戦で能力の覚醒した人間兵器「AKIRA」によって東京は崩壊し、人工都市ネオ東京として再復興、2019年にはオリンピックを迎えようとしている。そしてまた科学は少年を覚醒させてしまう。日本のSFアニメの原点とも言える映画。
物語、映像、音楽。やっぱり全部すごい。80年代の作品だとは信じられない。
今のアニメ映画と全く同じレベルの絵。
そしてこの世界観。ディストピアのSFはブレイドランナーに近いものもある。エヴァンゲリオンとかも近いなあ。東京オリンピックの予言はもはや怖い。
人間の覚醒っていう設定は結構ぶっ飛んでるけど、どこかジブリっぽさもあって面白い。
暗くて怖い残酷な映像に明るい音を当てたり、音楽はすごくジブリやエヴァっぽい。
セリフの言い回しも独特で、近代の描き方もリアルで、バイクもかっこいいし、少年心くすぐられてゾクゾクする。
科学、政治、宗教、死生観、友情…いろんな要素が細かく描かれていて丁寧。
こういうSFが一番おもしろい。
科学の進歩って夢と不安感の両面が描かれるべきだと思う。それがディストピアSFの面白さ。
でも、自分たちの力で未来は変えられるんだっていう。
熱い。