Jin

アキラ AKIRAのJinのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.5
”未来は一方向だけに進んでいるわけではないわ”

第3次世界大戦で能力の覚醒した人間兵器「AKIRA」によって東京は崩壊し、人工都市ネオ東京として再復興、2019年にはオリンピックを迎えようとしている。そしてまた科学は少年を覚醒させてしまう。日本のSFアニメの原点とも言える映画。


物語、映像、音楽。やっぱり全部すごい。80年代の作品だとは信じられない。

今のアニメ映画と全く同じレベルの絵。

そしてこの世界観。ディストピアのSFはブレイドランナーに近いものもある。エヴァンゲリオンとかも近いなあ。東京オリンピックの予言はもはや怖い。
人間の覚醒っていう設定は結構ぶっ飛んでるけど、どこかジブリっぽさもあって面白い。

暗くて怖い残酷な映像に明るい音を当てたり、音楽はすごくジブリやエヴァっぽい。

セリフの言い回しも独特で、近代の描き方もリアルで、バイクもかっこいいし、少年心くすぐられてゾクゾクする。

科学、政治、宗教、死生観、友情…いろんな要素が細かく描かれていて丁寧。

こういうSFが一番おもしろい。
科学の進歩って夢と不安感の両面が描かれるべきだと思う。それがディストピアSFの面白さ。

でも、自分たちの力で未来は変えられるんだっていう。
熱い。
Jin

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