こより

アイス・エイジのこよりのレビュー・感想・評価

アイス・エイジ(2002年製作の映画)
2.0
氷河期真っ盛り、
マンモスとナマケモノとサーベルタイガーが、人間の赤ちゃんを拾って人間に返そうと旅をする話。

なんだけど、最初は乗り気じゃなかったマンモスがナマケモノに促されて赤ちゃんを返しに行くっていう動機付けが薄い。
マンモスの感情が分かりにくくて、色々をちょっと省きすぎ感があり、スッと入ってこないので、もう少し丁寧に最初の感情を描いてほしかった。
最初の動機付けが薄いので、途中で動機のネタバラシをされるところまで、多少の疑問を持ちつつ進んでいく感じになってしまい、「じゃあ助けなきゃいいのに、そこまでしなくてよくない?」と憤りが生まれてしまう。
その点が自分には合わなかった。

お調子者のナマケモノも、道中に味付けするだけのご都合主義感のあるお調子者感があり、若干不満。
というかナマケモノのキャラデザが可愛らしくなくて、個人的には気持ち悪いので、尚更感情移入できなかった。
ちょいちょい出てくるリスも可愛くない。
ユーモアを入れたいのかもしれないけど、こっちは冷めてしまっている(暖まってない)ので、ユーモアが効いていない。

感情の起伏が分かる(同意できる)のはサーベルタイガーだけで、キャラデザもまだ良いので、そこだけは及第点かなという感じ。

ストーリーも定期的にピンチが来て乗り越えてピンチが来て…というテンポが緩急がなく全体的にのっぺりした印象。
子どもが飽きないタイミングとしてはいいのかもしれないけど、
やはり感情の細部が感じ取れないので、大人には物足りないと思う。

動機付けのネタバラシの部分だけは、共感できる部分があり「人間って勝手だよなぁ」「だからマンモスは南に向かわなかったのか」と思って少し感情移入できるようになるけど、全体を見ると物足りない映画。

ディズニークオリティを見た後にこういうのを見ると、ディズニーはすごいなぁと思ってしまう。
(そうやってディズニーだから許せるみたいな感じになって、ディズニーに対して甘めに評価してしまうディズニー信者みたいになってしまうから気をつけようと思うのだけど、やっぱり違いを感じざるを得ないので残念な気持ち。)
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