Mitan

天使の涙のMitanのレビュー・感想・評価

天使の涙(1995年製作の映画)
2.9
早稲田松竹にて。
こちらはDVDとかでも観てなかったのでお初。

想いがうまく通じ合わない5人のすれ違いを描いた作品。殺し屋と、パートナーの女。口のきけない青年。失恋から立ち直れない女。破天荒な金髪の女。時に静かに、時に激しく、出会った2人の感情がせめぎ合うシーンの連続。細切れだったり、躍動感あるカメラワークだったり、めまぐるしく移り変わっていく時と人の気持ちを表しているみたい。

ウォン・カーウァイ監督作品をいくつか見ていると、絶対と言っていいほど雨の日のシーンがあって、それが、あの香港のむせ返るような空気感を作り出しているのだなあと感じます。

金城武演じる口のきけない青年はもちろんのこと、あまり口に出して多くを語らないキャラクターが多くて、モノローグで語られる言葉が胸にしみる。

側にいても、人の温かさを感じられる瞬間って、実はそんなに無い。気付いた時には、その温かさが感じられないほど、どこか遠くに行ってしまっているものなのだ。
各キャラクターの様々な生き方を描きながら、ラストシーンは、本当の意味で「心温まる」ものでした。

「恋する惑星」で出てきたマンションやお店が登場するのも、ウォン・カーウァイ監督作品を二重に楽しめて良い。
そして金城武の演技がすごく良かった!
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