ハレルヤ

告発のときのハレルヤのレビュー・感想・評価

告発のとき(2007年製作の映画)
3.9
軍隊から突然姿を消した息子の行方と、その一連の事件の真相を追う父親の姿を描いた社会派サスペンス。

監督は「クラッシュ」のポール・ハギス。主演はトミー・リー・ジョーンズとシャーリーズ・セロン、スーザン・サランドンとくると、そりゃ期待しかないでしょう。

随分前に鑑賞しましたが、とにかく重い印象が頭に残っています。1人の帰還兵の行く末から見えてくる戦場にいる人間の知られざる実情。

戦場のような常に殺るか殺られるかの状況下になると、普通の感覚では異常とも言える行為でも当たり前になってしまう。兵士の精神が蝕まれていく様子を過剰な演出は用いず、じっくりと描いています。

事件を突き詰めていくうちに分かる息子の抱える苦しみ。それに気付けず後悔する父親。トミー・リー・ジョーンズのいぶし銀の演技が光ります。出番が少ないながらも抜群の存在感を示したスーザン・サランドン。物語を客観的な視点から捉える役割のシャーリーズ・セロンも最高の配役でした。

娯楽要素は極力排して、リアリティを突き詰めた作品。ラストシーンに込められたメッセージも深く、ポール・ハギス監督の独断場とも言えるでしょう。
ハレルヤ

ハレルヤ