すず

愛を読むひとのすずのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.5
愛した女性に愛を読み続ける、1人の男性の物語。

15歳のマイケルは学校帰りに体調を崩し、1人の女性に助けられる。
彼女の名前はハンナ。
マイケルは一回り以上年の離れたハンナに恋をする。
そして憧れのハンナから一つお願いをされる。
「私に本を読んで欲しい。」
その日から、マイケルはハンナに読み聞かせを始める。
そんなある日、ハンナは忽然と姿を消してしまう。
それから数年後、法科の学生になったマイケル。
授業の一環で、ある裁判の傍聴をする事に。
そこで目にしたのは、被告人として出廷しているハンナの姿だった。

マイケルが15歳とは思えない程セクシーな少年!
きっと初めて愛したであろう女性に尽くす姿が何とも健気!
初めてのデートでハンナの事をお母さんだと勘違いされてしまい、その人の前でこれ見よがしにキスするシーンきゅんとした!
法廷で久々にハンナを見た時、なぜやってもいない罪を認めたのか分かった時、判決を聞いた時のマイケルの心情がとても伝わってきて苦しくなった…
時が流れ、実家で見つけた一冊の本。
ハンナが大好きだった「オデュッセイア」
この本を朗読し、録音したテープを彼女に送るマイケル。
それから何冊も何冊も朗読して送り、そのテープで読み書きの勉強をするハンナ。
「テープをありがとう、坊や。」
短い言葉だけど、これがものすごく泣ける!
まだ幼い少年の本気の恋愛、ホロコーストの悲惨さ、正義感と責任感。
年の離れた男女の甘く切ないラブストーリーかと思いきや、なかなかヘビーだった。

「愛を読むひと」
とても素敵なタイトルだと思う!
すず

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