Jeffrey

愛を読むひとのJeffreyのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.5
‪「愛を読むひと」‬
‪冒頭、1928年ドイツ。第二次世界大戦後の西ドイツで雨に濡れ体調を崩す青年。嘔吐、泣き、歳上の女性が看護、猩紅熱、女の身体を見る、恋、デート、そして過去…本作はS.ダルドリーが前作から6年後に監督し、主演のK.ウィンスレットがオスカーに輝いたB.シュリンクの小説を映画化した‪感動作で再鑑賞したが泣ける。これほどまでに坊やと言う言葉に慟哭するとは…。物語は学校帰りに具合を悪くした少年マイケルが21歳も歳の離れた女性ハンナに介護される。そこから一泊の自転車旅行に至るまでの関係になり愛し合う。だが彼女は突如彼の前から消える…8年後に衝撃的な出会いを果たし、そ‬ ‪こから彼女の秘密、彼の葛藤が映されていく。この度3度目の鑑賞したが人を愛する事への重みが凄じく伝わり、のほほんと付き合っては別れを繰り返す今時恋愛の軽さとは全く違う次元の恋愛だなと思う。にしても散々タイタニックが代表作と言われてきたK.Wが本作で特殊メイクを施しハンナの人生を演じた本‬ ‪作こそ彼女の代表作と言っても過言ではないか。また監督のS.Dは原作を映画化したら完璧なまでに素晴らしい作風にしてくれる。更に前作に引き続き脚本はヘアとの事…役者も素晴らしいがスタッフも強力だ。今年亡くなったB.ガンツも教授役で出演している。若手俳優でK.Wの相手役として選ばれたD.ロックの‬ ‪繊細な少年の芝居も素晴らしく、後半から活躍し始める大人になったマイケルを演じたR.ファインズの芝居にも泣かされる…過去と現在を行き来する構成は前作めぐり合う時間同様にダルドリーとヘアの特徴の一つでもある。にしても当時まだ20代のK.Wが30代半ばの役を演じるのには無理があったろうに、それ‬を可能にしたのはヘアメイクのプリモラックだ。特殊ボディメイクから歳とる表現がずば抜けている。また当時17歳程度のD.Kのベッドシーンや複雑な感情をこうまで表現出来るとは恐れ入った…年の差があるものの、間違いなく純枠な恋愛ドラマで個人的に好きな一本だ。朗読する名本リストも有名所である。‬
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