ピナコ

愛を読むひとのピナコのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
3.8
日本は識字率が高いと聞いている。読み書きは出来て当たり前に思っていたが世界は広くいまでもまだまだの地域があるということ。

この時代に主人公ハンナは文盲を隠して生きてきた。
まずどんな生い立ちであったのだろう?身寄りもなく
生きていくのに、職につくのに
住まいを得るというときに今までどうしてきたのであろう?
苦労は計り知れない。36歳。

マイケルはある程度の家に育った青年15歳。

始まりは愛はなかったはず。
性に対しての大人の女性に対しての好奇心から。
秘密だから誰かに紹介出来るはずもなく、どちらかといえばいけないことをしているような。

それでも寂しいハンナにとっては楽しみとなっていた読み語りとともに。
ひと夏での事。

戦争があった。
それから意外なところで彼女の存在を知る。
知り合いと言えるはずもなく。

いろいろ考えさせられるシーンがある。
愛はあったのか?
何故テープを送ったのか?
何故手紙を返さなかったのか?

彼女のプライドを守ったことが彼女に対しての愛ではなく情(じょう)と感じた。
テープを送ったことも。

でも始めからハンナには愛があったように思える、だからこそ訳もなく当たったりしたと感じた。
それは年齢を重ねてもまるで少女のようにテープの声に恋をしていた。

2人の人生が一緒に歩む事もなく終わりを告げる。
やはり一人で生きてきた強い女性を感じた。


ラスト
今さらその話を娘にしなくても…と私は思った。


とても切なく良い映画だと思います
やはり観た時(年齢)で変わる映画でした。
ピナコ

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