えいがうるふ

愛を読むひとのえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

愛を読むひと(2008年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

ああこれもまた、世間一般の評価と反するシリーズ。レート下げてごめんなさい。

朗読プレイが結びつけた奇跡の恋が描かれるのかと思いきや、その一見激しい愛は結局最後までそれぞれが利己的に追い求めた自己愛でしかないように見えた。マイケルは無論若さ故の肉欲優先、対するハンナは彼女のアイデンティティとも言える最大のコンプレックスをあえて刺激しつつ癒すような、痛気持ちいい時間を捨てがたかったのではないだろうか。どっちもどっちで相手より自分の立場と欲望を優先させる二人。度々それを思い知るようなエピソードが挿入され、いつまでたっても主演二人のどちらにも感情移入できない寒々しさが残った。さらにラストが最悪。父親の自己満足の為に今更どうにもならん重い話を聞かされる娘が不憫すぎる。お、おま・・一人で墓場まで背負って行けよ!と思わずツッコミ。
私にとっては愛の話というより人間の身勝手さと業とを描いたなんともいたたまれない話だった。役者さんたちの演技は素晴らしかったっす。