Mako

愛を読むひとのMakoのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.4
奥が深い。考えるほどに深い闇を知ることになる。
事の発端は少年と中年女性が出会い、関係を持つところから始まる。最初は年の差ってだけである意味普通の素敵な恋愛。
ところが後半、女性が姿を消したところから一変する。ハンナは文盲であるがゆえに仕事がなく、ナチと関わり重罪となってしまう。本が読めないため、稚拙な言葉しか知らず、多くの感情に触れる機会がない。罪をかぶってまでも文盲であることを隠し続けたハンナ。文盲である人にしかわからない苦悩が感じ取れる。
本を読むことの重要さがよくわかるとともに、本に囲まれる環境にありながら読んでいない自分が恥ずかしくなった。
ナチスの問題は繊細で難しい。でも"識字"という観点から捉えたこの作品はストレートでないからこそ伝わる本当の闇がある。
考えれば考えるほどこの映画の凄さがわかるなかなか影響力のある作品。
Mako

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