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愛を読むひとのxyuchanxのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.0
実は初見。出張の機内〜自宅で。
ケイト・ウィンスレット、アカデミー主演女優賞作品。前半と後半でまるで違う映画だった。

初めてを与えあった出会い
年の差と愛ゆえの別離
深い業を背負う者、輝く未来を持つ者
法廷での悲劇的な再会
羞恥心と責任感の罠
戦犯撲滅と同調圧力
正義と感情


ホロコーストという人類最大級の過ちを、純愛と誇りと正義のせめぎ合いという形で紡いだ傑作。めずらしく良い邦題。

法は狭い。その隙間を埋めるのは人間だ。

「事実と法に基づく正義」を選べなかったのは「彼女の羞恥心」と「集団的な感情」だろう。

弁護士になったのも、離婚したのもマイケルが「罪悪感」から逃れられなかったから。そして読み書きを覚えることで蓄積されるようになったハンナの「罪悪感」はマイケルとの再会で感じた距離感で決壊する。

ハンナが教育を受けられなかった不運を呪いたくなる。そして、あの最後が絶望ではなく解脱であったと願いたい。
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